歯周ポケット内に付着する黒い歯石とは?
投稿日:2022年3月15日
カテゴリ:スタッフブログ
歯周ポケット内に付着する黒い歯石について
お口の中に歯垢(プラーク)や歯石が蓄積すると、虫歯や歯周病リスクが高くなります。目で確認できる歯石については、白っぽいものや黄色っぽいものが一般的ですが、黒い歯石というものも存在します。今回はお口の中に蓄積する白い歯石・黒い歯石について解説致します。
白い歯石と黒い歯石の特徴について
お口の中に存在する「白い歯石」と「黒い歯石」について、それぞれの特徴などをご紹介します。
白い歯石について
歯石は歯垢(プラーク)が唾液中のリンやカルシウムと結合し、石灰化したものです。一般的な白い歯石は、歯茎より上の部分に付着するため「縁上歯石」とも呼ばれます。白い歯石は主に、唾液が分泌される場所に近い下顎前歯の裏側などに蓄積しやすい特徴があります。
黒い歯石について
黒い歯石は、歯茎より下にある歯の根の部分に付着する特徴があり、「縁下歯石」とも呼ばれます。歯と歯茎の間に形成される歯周ポケットの内部に付着するため、日常生活ではほとんど肉眼で確認することはできません。
黒い歯石は、時間をかけて少しずつ形成されるため、白い歯石に比べて密度が高く、より強固に付着します。また、黒い歯石が確認できた場合は、歯周ポケット内に細菌が繁殖し、口臭なども強くなっている可能性が高くなります。
黒い歯石が形成されるのはなぜ?
黒い歯石は、歯垢(プラーク)に血液が混ざり石灰化が進むことで形成されます。そのため、歯茎から頻繁に出血があることが原因となります。黒い歯石は、深さが3㎜以上の歯周ポケット内に付着し、1~2㎜程の深さでは確認されることはほとんどありません。そのため、黒い歯石が形成される場合は、ある程度歯周病が進行している状態といえます。
白い歯石と黒い歯石を取り除く方法について
歯石は非常に頑固な汚れですので、日々の歯磨きでは取り除くことができません。歯科医院にて専用の器具を使用し、取り除く必要があります。
白い歯石(縁上歯石)の除去方法
白い歯石(縁上歯石)を取り除く際は、スケーリングという処置を行います。超音波スケーラー・ハンドスケーラーという専用の器具を使い分けながら、歯面・歯間に付着した歯石を丁寧に除去します。白い歯石(縁上歯石)の除去については、通常1回のスケーリングでお口全体の処置が完了します。
黒い歯石(縁下歯石)の除去方法
黒い歯石(縁下歯石)を取り除く際は、SRP(スケーリング・ルートプレーニング)という処置を行います。通常のスケーリング同様にスケーラーという器具を使用し、歯肉縁下の歯根面に付着した歯石を除去します。黒い歯石(縁下歯石)は、とても頑固な上に歯根の形状が複雑なため、一度で処置が完了しないことが多いです。
また、歯周ポケットが深く、SRP(スケーリング・ルートプレーニング)では対応が困難な場合は、歯茎を切開して歯石を取り除くなどの外科処置(フラップ手術)が必要になる場合もあります。
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