生まれつき歯が足りない「先天性欠如歯」の原因と治療法
投稿日:2022年3月11日
カテゴリ:スタッフブログ
生まれつき歯が足りない「先天性欠如歯」の原因と治療法について
乳歯は全部で20本、永久歯は28本(親知らず含めると32本)生えます。先天性欠如歯とは、形成異常の一つで本来生えて来るはずの歯の本数が足らない状態を意味します。現在では10人に1人の子どもに生まれつき1~数本の歯が足りないというデータがありますが、子ども本人や親御さんは気がつきにくく、歯科検診などで判明することが多いようです。今回はそんな先天性欠如歯の原因や治療法などについて解説いたします。
先天性欠如歯の原因とは?
永久歯の成り立ちは、歯の芽となる歯胚(しはい)という細胞が形成されることで始まります。しかし、何らかの理由で歯胚が形成されないと、永久歯の数が足りない先天性欠如歯となってしまいます。明確な理由は分かっていませんが、下記のようなことが原因と考えられています。
- 遺伝
- 歯の発育時の栄養欠如
- 全身疾患
- 薬の副作用
- 放射線の影響 など
上記の他にも食生活の変化によって顎のサイズが縮小したため、それに伴い歯の全体数も減少しているという説もあります。しかし、明確な原因が分かっていないため、現段階では先天性欠如歯を未然に防ぐことはできません。
先天性欠如歯による悪影響について
本来生えるはずの歯が生えてこないため、欠損部分のスペースに周囲の歯が倒れこみ歯並びや咬み合わせが悪化したり、噛み合うはずの対向歯がないことによって歯が伸びすぎてしまったり、残存歯の負担が大きくなったりと、さまざまな問題が生じます。
さらに、先天性欠如歯が数本の場合は咀嚼効率の低下や見た目をコンプレックスに感じる方もいらっしゃいます。
歯科医院のレントゲン検査で先天性欠如歯をチェック
先天性欠如歯については、歯科医院でのレントゲン検査で状態を確認することができます。
乳歯(20本)や永久歯(28本※親知らずを含めると32本)の本数が足りない場合や歯と歯の隙間が大きく開いている場合、健康診断などで歯の本数を指摘された際には、一度歯科医院でチェックしてもらいましょう。
先天性欠如歯があった際の対策方法について
永久歯が作られず、本来抜け落ちるはずの乳歯が残っている場合は、できるだけ乳歯を長期的に維持できるよう、日々のケアはもちろん、歯科医院での定期的な歯科検診やケアを受けましょう。乳歯は永久歯に比べて、虫歯や歯周病リスクが高いため、意識を高く持ち、予防に取り組みましょう。
乳歯が抜けた場合は、ブリッジ・インプラント、入れ歯治療などで歯の機能を回復させたり、矯正治療で歯を動かして永久歯のスペースを埋めたりと、口腔内の状態と患者さまのご要望を考慮して適切な治療法を選定します。
永久歯の先天性欠如が6本以上ある場合は、指定医療機関であれば保険適応で矯正治療などが可能です。
■ 他の記事を読む■