歯のエナメル質が失われることで生じる問題とは?
投稿日:2022年6月15日
カテゴリ:スタッフブログ
歯のエナメル質が失われることで生じる問題について
エナメル質は歯の一番外側にあり、歯の内部を保護するための組織で人体の中で最も硬いと言われています。今回はそんな歯のエナメル質が失われることによって生じる問題等についてお話したいと思います。
エナメル質とはどんな組織?
エナメル質は、歯肉より上にある歯の外側を覆っている組織で水晶と同等の硬さを誇ります。
歯はエナメル質の下に象牙質、さらにその下に歯髄(神経や血管など)という構造で成り立っており、エナメル質は歯の内部組織を保護する役割を担っています。
非常に硬いエナメル質ですが、虫歯菌が放出する酸や飲食物の酸、強い咬合力などによって溶かされたり、擦り減ってしまいます。
初期虫歯の場合は、唾液の再石灰化によって溶け出したエナメル質を修復することができますが、虫歯が進行して歯に穴が空いてしまうと、自然に治癒することはなく、虫歯治療が必要となります。
歯のエナメル質が失われることで生じる問題について
歯のエナメル質が薄くなったり、失われたりすると下記のような様々な問題が生じる可能性があります。
知覚過敏
エナメル質は痛みや温度を感じることはありませんが、歯の内部にある象牙質や歯髄は外部からの刺激によって痛みや温度を感じます。エナメル質の厚みが十分にあって、外部の刺激から歯の内部を保護できていれば問題はありません。しかし、エナメル質が薄い場合は歯磨きの際の刺激や飲食物の温度が伝わってしまうため、痛みを感じたり、歯がしみたりする知覚過敏になる可能性があります。
虫歯の進行が早くなる
エナメル質は虫歯菌が放出する酸によって溶かされてしまいますが、エナメル質は硬い組織である上に唾液の再石灰化によって修復されるため、虫歯の進行速度は抑えられます。しかし、エナメル質が薄くなっている場合は、再石灰化による修復が間に合わず、虫歯の進行が早くなり、象牙質や歯髄などにも感染して重症化する可能性が高くなります。
歯の色が黄ばんで見える
エナメル質は透明感のある白っぽい色味をしており、象牙質は黄色っぽい色味をしています。そのため、歯の色というのは、象牙質の色がどれだけ透けるかによって見え方が変わってきます。エナメル質が薄くなると、象牙質の色が濃く透けてしまうため、歯が黄ばんで見えてしまいます。加齢によって、エナメル質は薄くなってしまうため、歳をとるにつれて歯が黄色っぽくなってしまいます。
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