舌に付着した汚れ「舌苔」の原因と影響とは?
投稿日:2022年3月29日
カテゴリ:スタッフブログ
舌に付着した汚れ「舌苔」の原因と影響について
「舌苔(ぜったい)」とは、舌の上に付着した細菌のかたまりで、白い苔のような形状をしています。食べ物のカスや唾液の成分、お口の中に存在する細菌などが溜まることで形成されます。今回は、舌に付着した汚れ「舌苔」の原因と口腔内に及ぼす影響などについて解説致します。
舌苔(ぜったい)が形成される原因とは?
舌の清掃不足
舌も歯と同じ様に日頃からきちんとケアをしないと、少しずつ食べカスや細菌が蓄積され、舌苔(ぜったい)が形成されます。
口腔内の乾燥・口呼吸
口呼吸などが習慣になると、口腔内が乾燥して唾液の殺菌作用が低下するため、細菌が繁殖して舌苔(ぜったい)が形成されやすくなります。また、舌に付着した舌苔(ぜったい)も乾燥によって取り除きにくくなります。
唾液の分泌量が少ない
唾液には、口腔内に付着した汚れを洗い流す自浄作用や殺菌効果があります。唾液の分泌量が少ないと口腔内の汚れが蓄積し、細菌も繁殖するため、舌苔(ぜったい)が形成されやすくなります。
舌の形状
一人ひとり舌の形状は異なります。舌の表面の凹凸が大きい方をはじめ、舌に溝がある「溝状舌(こうじょうぜつ)」の方などは、汚れが付着しやすいため、舌苔(ぜったい)が形成されやすくなります。
舌の位置
受け口などの歯並びの場合は、普段の生活で上顎と舌が触れにくい傾向にあります。舌と上顎との摩擦がほとんどないため、舌の表面に汚れが蓄積しやすくなります。
お薬(抗生物質・ステロイド剤など)の影響
持病などの関係でお薬(抗生物質・ステロイド剤など)を普段から服用されている場合は、お薬の影響で舌苔(ぜったい)が形成される場合があります。抗生物質を長期間服用されると、口腔内の細菌の種類が変化し、黒い舌苔が形成される場合があります。
舌苔(ぜったい)が及ぼす影響とは?
口臭の発生
舌苔(ぜったい)による最も大きな影響が「口臭の発生」です。お口にいる嫌気性菌が、舌苔に含まれるタンパク質を分解する際に揮発性硫黄化合物(VSC: Volatile Sulfur Compounds)という口臭の原因となる物質を作り出します。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
お口の細菌が誤って気管に侵入すること(誤嚥(ごえん))で引き起こされる肺炎を「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」といいます。舌苔(ぜったい)が厚くなると、お口の中の細菌数も増加するため、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高くなります。
味覚障害
舌の表面には、味蕾(みらい)という味覚を感じるセンサーが存在します。そのため、舌の表面を舌苔(ぜったい)に覆われてしまうと、飲食物の味が感じにくくなってしまう可能性があります。
■ 他の記事を読む■