歯を抜かない矯正治療のメリット・リスクについて
投稿日:2022年4月19日
カテゴリ:スタッフブログ
歯を抜かない矯正治療のメリット・リスクについて
矯正治療では、スペースを確保するために歯を抜くことも少なくありません。しかし、昨今では症例によって歯を抜かずに歯並びや咬み合わせを改善する非抜歯矯正も多く行われております。今回は非抜歯矯正のメリットやリスクについて解説致します。
非抜歯矯正(歯を抜かない矯正治療)のメリット
- 健康な天然歯を残せる
非抜歯矯正の一番のメリットは、健康な天然歯を残せることです。矯正治療で抜歯される歯については、抜歯による影響が少ないとされる第一小臼歯、第二小臼歯が一般的ですが、抜歯せずに矯正治療ができるのであれば、より咬み合わせの安定が見込めます。 - 抜歯する時間や身体への負担がない
矯正治療専門の歯科医院などでは、治療に必要な抜歯を他院へお願いすることもあるため、抜歯に伴う費用や時間はもちろん、他院への通院という手間がかかります。また、抜歯をすることで患部の痛みや腫れを伴うことがあり、患部の治癒時間が必要なため、治療期間が長くなってしまいます。非抜歯矯正の場合は、抜歯の費用や時間、身体への負担もありません。
非抜歯矯正(歯を抜かない矯正治療)で想定されるリスク
非抜歯矯正(歯を抜かない矯正治療)は、全ての症例で適応となるわけではありません。治療計画を誤り、無理に非抜歯矯正を行おうとすれば、良い治療結果が得られないだけでなく、下記のような問題を引き起こす可能性があります。
顔貌(見た目)が悪化する
本来は抜歯が必要な症例を無理に非抜歯で矯正した場合は、歯がきちんと顎骨に収まらず、前方に出っ張ってしまう可能性が高くなります。そのため、歯並び・咬み合わせはもちろんですが、顔貌も悪くなってしまいます。
歯茎の退縮リスクが高くなる
矯正治療で歯を動かす際は、歯茎や歯槽骨(歯を支える骨)などの歯周組織に負担がかかるため、歯茎が下がったり、歯槽骨が吸収されたりすることがあります。特に顎骨のスペースがなく、無理に歯を並べようとすると、歯茎が退縮する可能性が高くなります。歯茎が退縮すると、歯が長く見えたり、歯と歯の隙間が広がったり、さらに虫歯や歯周病、知覚過敏になりやすくなるため、注意が必要です。
矯正治療後に歯が後戻りしやすい
非抜歯の状態で無理に歯並びを整えた場合は、矯正治療後に歯が後戻りしやすくなります。歯が後戻りしてしまうと、再び矯正治療が必要となる可能性があり、費用や時間がさらに必要となります。
歯を抜かずに矯正治療を行えることが理想ではありますが、診査・診断をしっかり行い、良好な治療結果を得られる緻密な治療計画を立てることが重要です。
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