抜歯すべき歯とは?抜歯しないことで生じる問題とは?
投稿日:2022年7月28日
カテゴリ:スタッフブログ
抜歯すべき歯とは?抜歯しないことで生じる問題について
歯科医師は天然歯をできるだけ保存するため、日々診療を行っています。しかし、周囲の歯やお口に悪影響を及ぼす可能性がある場合は抜歯を検討することになります。
今回のブログでは、歯科医師が抜歯をおすすめするケースと抜歯すべき歯を抜かずに残そうとした場合に生じる問題について解説したいと思います。
抜歯をした方がよいケースについて
下記のケースについては、抜歯を推奨いたします。
重症化した歯周病
歯周病が重症化すると、歯を支える骨や周囲の歯茎が溶かされてしまいます。歯がぐらぐらと大きく動揺するほど骨が減り、歯を支えられない状態の場合は抜歯をおすすめします。
歯の根が割れている(歯根破折)
歯の根が割れてしまった場合、状態によっては症状を改善することが困難です。細菌感染が起こるため、保存が不可能な場合は抜歯をおすすめします。神経を取り除いた歯は脆くなり、歯根破折が起こりやすくなるため、注意が必要です。
重症化した虫歯
歯茎より上に歯質がほとんど残っていない状態で重症化した虫歯については、顎骨の下まで虫歯が進行し、しっかりと噛めない状態になってしまうため、症状によっては早めの抜歯をおすすめいたします。
改善の見込みがない根尖病巣(歯の根の病気)
歯根先端部分の細菌感染によって、膿が溜まる根尖病巣は根管治療では改善できないケースもあります。そのような場合は、症状が悪化して歯周組織がさらに破壊される前に抜歯をおすすめいたします。
抜歯するべき歯を無理に残そうとすることで生じる問題とは?
できるだけ歯を抜かないことが理想ではありますが、本来抜歯すべき歯を無理に残そうとした際は、下記のような様々な問題が生じる可能性があるため、注意が必要です。
骨吸収が起こる
重症化した歯周病や歯根が破折した歯をそのまま放置していると、その周囲の骨や歯茎が溶かされてしまいます。骨量が大幅に減ってしまうと、インプラントや入れ歯治療も良好な結果が得られない可能性があります。
周囲の歯・お口全体に悪影響が及ぶ
重症化した歯周病や虫歯を放置していると、周囲の歯の歯周組織も溶かされたり、お口全体にも感染が拡がってしまったりとお口全体の健康にも悪影響が及びます。
全身疾患を引き起こす原因になる
歯周病は全身疾患とも深い関係があります。歯周病菌が血液によって全身を巡ることによって、心筋梗塞や脳梗塞、誤嚥性肺炎、糖尿病、早産や低体重出産などのリスクが高くなります。
できるだけ天然歯を抜かないことは重要ですが、だからといって無理に歯を残すことも状態によっては様々な問題を引き起こすことになります。健康な状態を維持するため、日頃からきちんとケア、検診を行い、予防をはじめ、早期発見・早期治療を心がけましょう。
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